ゲーム開発者の生成AI活用は8割超──CESA「ゲーム産業レポート2026 プレビュー版」が映す、開発現場の”現在地”

東京ゲームショウ2026が幕張メッセで開幕しました。史上初の5日間開催という規模の拡大が象徴するように、国内ゲーム産業は活況が続いています。

そのTGS開幕にあわせて、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が2026年9月17日、『CESAゲーム産業レポート2026 プレビュー版』を発刊しました。国内ゲーム産業の市場動向や雇用状況を数字で読み解く年次レポートの”先行版”で、完全版(約460ページ)は12月上旬に発売予定です。

今回のプレビュー版で特に目を引くのが、CESAが今年初めて実施した、生成AIの活用状況に関する2種類の独自調査です。ゲーム開発の現場に、生成AIがどこまで浸透しているのか。その数字を見ていきます。

ゲーム開発者の85.8%が「業務で生成AIを利用」

ひとつは、プロデューサー・ディレクター・エンジニア・アーティスト・サウンドクリエイター・QA担当など、商業ゲーム開発に携わる人を主な対象とした調査「ゲーム開発者の就業とキャリア形成 2026」(有効回答1,349サンプル、2026年5〜8月にインターネット調査で実施)です。

業務における生成AI(ChatGPT、GitHub Copilot、画像生成サービス、アセット生成サービスなど)の利用状況を尋ねたところ、結果は次のようになりました。

  • 日常的に利用している:63.0%
  • 時々利用している:22.8%
  • 試験的導入・検証している:8.6%
  • 一度も利用したことがない:4.8%
  • 以前は利用していたが、現在は利用していない:0.7%

「日常的に利用」と「時々利用」を合わせると85.8%。生成AIは、一部の先進的な開発者だけのものではなく、すでにゲーム開発の現場に広く定着しているといえそうです。

会員企業が最も期待するのは「業務効率化・生産性向上」

もうひとつが、CESA会員企業220社を対象にした「2026 CESA 会員企業調査」(有効回答48社、2026年6〜7月に調査票の配布・回収で実施)です。

こちらでは、生成AIの活用によって期待する効果を複数回答で尋ねています。回答数(社数)が多かった順に並べると、以下の通りでした。

期待する効果回答数(社)
業務効率化・生産性向上38
開発期間の短縮30
開発・運営コストの削減29
多言語対応・グローバル展開の促進24
新たな表現・アイデアの創出22
コンテンツ・サービス品質の向上21
人材不足への対応20
その他3
特に期待する効果はない2

最も多かったのは「業務効率化・生産性向上」で48社中38社が回答。「開発期間の短縮」「開発・運営コストの削減」が続きます。CESAは、多言語対応や新たな表現・アイデアの創出といった「新たな価値創出」への期待も大きいと分析しています。回答企業48社のうち「特に期待する効果はない」はわずか2社で、生成AIへの期待の高さがうかがえます。

使いっぱなしにはしない──浮かび上がる”人の監修”という運用

もっとも、このレポートが伝えているのは「効率化への期待」だけではありません。プレスリリースでは、生成AI利用における管理・運用上の取り組みとして、「人による確認・修正・監修を行っている」との回答が最も多かったことにも触れられています。利用ツールの指定・制限や、出力物をそのまま利用しない運用も多くを占めるとのことで、生成AIを使いこなしつつ、安全な運用体制を整備しようとする姿勢がうかがえます。

CESA常務理事の増田努氏は、今回の調査結果について次のようにコメントしています。

ゲーム開発者の8割超が生成AIを業務で活用しているという結果は、生成AIが開発現場で幅広く、着実に活用されつつあることを示しています。一方で、生成AIをめぐっては、著作権をはじめとする権利上の課題も指摘されており、ゲーム産業においても、こうした課題に十分配慮しながら活用していくことが求められています。その中で、生成AI任せではなく、人による確認・監修を行うなど、適切な運用に向けた取り組みも進んでいます。

生成AI任せにするのではなく、人が最終的な判断を担う。効率化と権利保護・品質担保のバランスを取ろうとする姿勢は、他業界の生成AI活用とも重なる部分が多く、参考になる調査結果ではないでしょうか。

レポートについて

『CESAゲーム産業レポート』は、2023年まで刊行されていた『CESAゲーム白書』を全面刷新し、2024年から刊行が始まった年次レポートです。産業構造、市場、技術、ユーザー動向などの国内外データに加え、独自の海外マーケット・ユーザー調査や業界関係者への取材も収録し、ゲーム産業の「今」と「これから」を読み解く内容になっています。

今回発刊されたプレビュー版(非売品・A4・30ページ)では、生成AI関連の調査のほかにも、グローバル市場動向、国内市場動向、ユーザー動向、産業間比較、人材育成など幅広いトピックスが扱われています。完全版(約460ページ、書籍版/PDF版とも55,000円・税込)は2026年12月上旬発売予定とのことなので、気になる方はチェックしてみてください。

詳細はCESAの公式ページ(https://www.cesa.or.jp/action/industry-research/)で順次案内されるとのことです。


本記事は、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が2026年9月17日に発表した『CESAゲーム産業レポート2026 プレビュー版』発刊のプレスリリースをもとに構成しています。